閉所恐怖症について

 日中さん、普段は世間を欺くため、放射線技師という仮の姿で過ごしているのですが、ちょくちょく出会うのがタイトルにもある「閉所恐怖症」
 CT検査ではほとんど問題にもならない人が多いけど、MRIでは多くの閉所恐怖症の人が苦手意識を持っていると思うし、よく緊急用ブザーを握りつぶされる
 CTは人が二人分は入れそうな筒の中を、スイー、と行ったり来たりするだけなので、まずこれで閉所恐怖症が出る人は少ないだろう
 MRIは人がギリぴったり入れるくらいの筒に、それなりの圧迫感のあるコイルというものを身に着けて、30分くらいじっとしている必要がある
 実際、巨漢の人はMRIに入らないことがあるくらいには狭い
 しかもCTはスイーとしている間以外は多少動いても問題ないが、MRIは30分微動だにしないことを求められる

 しかし、一般の人は知らないもっとやばいやつがあって、「頭頚部の放射線治療」というものがある
 これはまず、動かないようにシェルという固定具を付けれらるのだが、これで頭の先から胸の上くらいまでぴっちりと固定される
 後ろには硬めのクッションで型を取られているので、シェルを付けられると動こうにも胸から下しか動けないだろう
 「放射線治療 頭頚部 シェル」で検索すると白いデスマスクみたいなのが出てくるので調べてみるといい
 この時点で大分やばいのだが、さらに口の中にマウスピースを付ける必要がある場合があるのだが、付けただけで、嗚咽する人も多いマウスピースをした上に、上記の固定をされるのだ
 さらに実際の治療時も、トモセラピーという治療器の場合、CTと同じくらいの筒の広さで、これまた20~30分くらい微動だにしないことを求められる
 閉所恐怖症の人で、頭頚部の放射線治療をする必要がある場合は、デパスという抗不安薬をバンバン服用する必要がある

 それで、なぜこんな話をしているかというと、日中さん、このまえ同僚のMRIの試し撮りの被検体を頼まれたのだが、しっかり緊急用ブザーを握りつぶしたのだ
 そう、なにを隠そう、私は閉所恐怖症なのだ
 しかも割と重度の
 普段、MRIや放射線治療を他人にして、閉所恐怖症の人に「大丈夫ですよー」とか言いながら、自分は全然大丈夫じゃないのだ

 これはもう理屈じゃないし、精神疾患なのでもうあきらめているが、遡れば発症したのは、まだ小学生のころになる
 小学生当時、どんな閉所に恐怖していたかというと、「教室」である
 もう他人には意味不明だろう
「教室」というのは、子供が20~40人は入れるし、そこで毎日授業やその他生活を営む部屋であり、なんなら一般的な部屋よりだいぶ広いし、窓も大きかったり、出口も複数あるだろう
 しかし、当時の私には「教室」は完全な閉所だったのだ

 幾ら空間的なゆとりがあろうと、一度授業が始まれば、席からは立てず、トイレにも行けない、水も飲めない、周りには他人がぎっしり
 これは当時の私にとってはしっかり閉所だし、いるだけで気持ちが悪くなって授業どころではなかったのだろう
 実際、これだけが原因ではないだろうが、小学生の間に数度数か月間不登校の時期があった
 我ながら、よく復帰したと思うが、この後も中高と結局授業中の「閉所感」にはずっと不安が強かったし、不安が強い時期には抗不安薬を服用してやり過ごしていた
 ちなみに、大学の授業は全く苦にならなかった
 そもそも、精神疾患も大分落ち着いてきていたし、教室も広い、小中高に比べ、途中退席も割としやすく、「閉所」感が薄く、初めてまともに授業というものをまともに受けれたという感じがした

 まぁ、こんな話、わからない人にはわからないし、理解も難しいだろう
 わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ(向井秀徳感)
 それでも、「この世界のどこかに居る、僕に似た君に送る(toe感)」駄文を書こうというのがこの記事の主題

 小学生で発症した不安症は結局中年になっても残っているし、未だに抗不安薬は頓服で飲んでいる(1年で60錠くらいの消費)
 それでもまぁ人並みの人生は遅れているし、そんなに悲観するこたぁないよって思う
 現代医学はそれなりに味方してくれるし、辛いんだったらさっさと薬飲んで楽になって、なるべく日々を楽しく生きてしまうのがいいと思う
 この世界はそうするくらいには楽しいことがたくさんある

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